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2012年10月10日水曜日

[古今和歌集]伊勢・2

<伊勢・2・古今和歌集>

冬枯れの野べとわが身を思ひせばもえても春を待たましものを

訳・冬枯れの野べであると自分の身を思ってみると、ああして燃えてでも春を待つのになあ。

2012年10月9日火曜日

[古今和歌集]伊勢・1

<伊勢・1・古今和歌集>

春霞立つを見すててゆく雁は花なき里にすみやならへる

訳・春霞が立ちこめるのを見捨てて北へ帰る雁は、花の咲かない里に住みなれているのか。


2012年10月8日月曜日

[古今和歌集]清原深養父

<清原深養父・古今和歌集>

冬ながら空より花の散りくるは雲のあなたは春にやあるらむ

訳・冬でありながら、空から花が散ってくるのは、雲のむこうはもう春なのだろうか。

2012年10月7日日曜日

[古今和歌集]素性法師・2

<素性法師・2・古今和歌集>

われのみやあはれと思はむきりぎりす鳴く夕かげのやまとなでしこ

訳・私だけがしみじみかわいいと思うのだろうか。きりぎりすが鳴く夕日の光の中に咲く大和なでしこよ。

2012年10月6日土曜日

[古今和歌集]素性法師・1

<素性法師・1・古今和歌集>

見わたせば柳桜をこきまぜて都ぞ春の錦なりける

訳・はるかに見渡すと柳と桜をまぜ合わせて、都が春の錦だったのだなあ。(秋の山の紅葉<錦>に対して、都を張るの錦と見立てた。)

2012年10月5日金曜日

[古今和歌集]壬生忠岑・2

<壬生忠岑・2・古今和歌集>

春日野の雪間をわけておひいでくる草のはつかに見えし君はも

訳・春日野の雪の消え間を分けて生え出てくる草のように、わずかに姿が見えたあなたよ。どうしていらっしゃるのか恋しいことです。

2012年10月4日木曜日

[古今和歌集]壬生忠岑・1

<壬生忠岑・1・古今和歌集>

久方の月の桂も秋はなほもみぢすればや照りまさるらむ

訳・月にある桂の木も秋にはやはり紅葉するので、秋の月は他の季節よりも明るく照り輝くのであろうか。

2012年10月3日水曜日

[古今和歌集]凡河内躬恒・3

<凡河内躬恒・3・古今和歌集>

風吹けば落つるもみぢ葉水清み散らぬ影さへ底に見えつつ

訳・風が吹くと落ちるもみじの葉が水面に浮いているが、水が清らかなので散っていないもみじの影までも水の底に見え見えするよ。

2012年10月2日火曜日

[古今和歌集]凡河内躬恒・2

<凡河内躬恒・2・古今和歌集>

夏と秋と行きかふそらのかよひぢはかたへすずしき風や吹くらむ

訳・夏と秋とがすれちがう空の通路は、秋の通る片側だけ涼しい風が吹いているだろうか。

2012年10月1日月曜日

[古今和歌集]凡河内躬恒・1

<凡河内躬恒・1・古今和歌集>

春の夜のやみはあやなし梅花色こそ見えね香やはかくるる

訳・春の夜の闇はわけがわからない。(闇の中に隠して)梅の花の色は見えないけれど、香りが隠れるのだろうか、いや隠れはしない。

2012年9月30日日曜日

[古今和歌集]紀友則・2

<紀友則・2・古今和歌集>


秋ちかう野はなりにけり白露の置ける草葉も色かはりゆく

訳・秋も近く野は変わってしまった。白い露が置いている草葉も色が衰えて変わっていくよ。(「きちかうの花」=「桔梗」が隠してある。)

2012年9月29日土曜日

[古今和歌集]紀友則・1

<紀友則・1・古今和歌集>

秋風にはつかりがねぞ聞こゆなるたがたまづさをかけて来つらむ

訳・秋風の中を初雁の鳴き声が聞こえてくるようだ。手紙を運ぶというが、誰の手紙をかけてきているのだろう。

2012年9月28日金曜日

[古今和歌集]紀貫之・4

<紀貫之・4・古今和歌集>

むすぶ手のしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな

訳・水をすくった両手からこぼれるしずくのために濁ってしまう山のわき水は、十分に飲めない。そのように、満足できずなごり惜しいのにあなたと別れてしまうよ。

2012年9月27日木曜日

[古今和歌集]紀貫之・3

<紀貫之・3・古今和歌集>

桜花散りぬる風のなごりには水なきそらに浪ぞたちける

訳・桜の花を吹き散らした風の後には、水のない空に花びらが波のように立ち騒いでいた様子が目に浮かんでくるよ。

2012年9月26日水曜日

[古今和歌集]紀貫之・2

<紀貫之・2・古今和歌集>

春日野の若菜摘みにやしろたへの袖ふりはへて人のゆくらむ

訳・春日野の若菜を摘みに、白い衣の袖を振りながらわざわざ女たちが行くのであろうか。

2012年9月25日火曜日

[古今和歌集]紀貫之・1

<紀貫之・1・古今和歌集>

袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ

訳・夏に袖も濡れて手ですくった水が、冬の間は凍っていたのを、立春の今日の風が溶かしているのだろうか。

2012年9月24日月曜日

[古今和歌集]藤原敏行

<藤原敏行・古今和歌集>

秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる

訳・秋が来たと目にははっきりと見えないけれど、風の音ではっと気づくことだ。

2012年9月23日日曜日

[古今和歌集]小野小町・4

<小野小町・4・古今和歌集>

色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける

訳・あせていく色が見えないで変わっていくものは、世の中の人の心という花であるよ。

2012年9月22日土曜日

[古今和歌集]小野小町・3

<小野小町・3・古今和歌集>

うつつにはさもこそあらめ夢にさへ人めをもるとみるがわびしさ

訳・現実にはそうであろうけれども、夢でまでも人目をはばかって会うのは物足りない思いがすることよ。

2012年9月21日金曜日

[古今和歌集]小野小町・2

<小野小町・2・古今和歌集>

うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふ物はたのみそめてき

訳・うたた寝の夢で恋しい人を見てからは、夢というものを頼みに思い始めたことだ。